
7.1 はじめに
トラブルの原因を見つけるにはいくつかの要領が必要である。
それらを格言にまとめてみると
- (1)万象有理
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世の中に不思議ということは一つもない。必ず原因があってトラブルが起きるのだから、「おかしい」とか「変だ」とか「不思議だ」と首をかしげているだけでは原因は追求できない。首をかしげている暇があったら「どのような原因ならばこのようなトラブルが起きうるか」を推理して、仮説をいくつもたててみること、「おかしい」とか「変だなあ」という言葉は禁句である!
- (2)急がばまわれ
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もつれたような配線(そうめん配線という)や、不必要に長い配線や、グラグラしている基板や部品はトラブルのもとである。それらをまずきちんとしてから、そのあとで、トラブルの原因追求作業に入っても遅くはない。きちんとするだけで直ってしまうトラブルも多い。机の上や床の上を整とんしてから作業にかかること。
- (3)知るは1時間の苦労、知らざるは1週間の苦労
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なにをおいてもまず回路図を広げること。回路の構成を理解し、各ICの働きをマニュアルによって理解すること。各部分の波形がどうなっているか推定し、オッシロで実際に調べてみること。「理解すること」にまさる診断法はないのである。回路の働きが完全に理解できれば、トラブルの原因として考えられることが自然に頭にうかんでくる。
- (4)下手な考え休むに似たり
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(3)と矛盾しているようだが、新しい考えがうかばず、同じところをどうどうめぐりしていて、考えが先にすすまないときは、首をかしげているより、行動した方がよい。基板のICを全部かえるような大きな作業を実行しても、10分とかからないでできるはずである。
- (5)くさっても工学者
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工学者らしく、トラブルの症状を冷静に観察し、それを紙に記録してゆくこと。ただ大さわぎして無目的にあれこれやっているのは時間の無駄であり、幼児のやることとかわりない。君も工学者のはしくれであるならば、トラブルの症状を記入する整然とした表をつくり、系統的に記録して、そのトラブルに規則性や対称性等がないか判断することが必要。